いまのクリエイターには信じられないことでしょうが、ひと昔前までは、チラシを作るときは、白紙にスケッチをデッサンして、タイトルをこの辺にと、そのタイトルは別に描き起こし、ここにモデルの写真を大きく入れる、その写真のネガは別にあり、このブロックに入れるコピーは原稿用紙に書いておき、というように、大体の見当をペーパー上にレイアウトしていました。
コピーは、スペースと文章量を計算し、書体や級数を決めて写植を原寸大で貼り付けます。
いわば、写植文字だけの版下つくりだったのです。バラバラの素材は、ひとつひとつ原寸大で別に製版され、色指定され、最終的にその紙面全体が製版されて、印刷されます。
だから、写真やイラストの点数が多いほど、製版の費用も高くなります。
いまでも、制作過程のある部分は同じ技法が用いられることがありますが、多くのクリエイターは、イラストレーターやフォトショップのソフトを使って、すべての作業をパソコン上で行い、使う写真や素材はスキャニングして取り込み、クライアントや印刷会社への送稿も、メールで送っています。
なにもかも0と1のデジタルですから、劣化がありません。
チラシは、パソコン上で簡単に作られています。
といっても、ほんとうは、そう簡単ではありません。まして、あまりパソコンに慣れていない人や、イラストレーターやフォトショップなどを使いこなしていない人には、年賀状のデザインや、デジカメで撮った写真を編集するくらいはできても、チラシの重いデータを動かすのは複雑で大変です。
ここでは、パソコンのさまざまなソフトを使いこなしているプロのデザイナーが、ときに簡単に使える技術で、基本的にその素材をすべてパソコンから、有料であれ、無料であれ、調達する場合のことを指しています。
ちょうど、いつも自分に合ったスーツや洋服を、テーラーやブティックにオーダーメイドで誂えている人が、ときにはサッと、ファッションショップや衣料店や紳士服店などで、既製服を買うのに似ています。結構それで自分に合う場合も多いのです。
最も多く用いられるのは、そのシーズンのイメージや風景や人物の写真やイラスト、アイコンやテンプレート、地図などですが、チラシのプロは、そのままそこに使うことはなくて、ヒントにしたり、アレンジしたり、色や大きさを変えて、制作中の原稿に合わせて、自分ナイズしていきます。
パソコンソフトを使いこなしている方なら、たくさんあるチラシのサイトから、素材やロゴや見本をお使いください。
さすがに、クライアントの会社名やロゴ、商品写真などは、オリジナルを取り込んでいかなければなりません。クリエイティブな達人だからこそ、困った時にサッと拝借する機転が利くのです。